我が国は、先の大戦において、原爆など多大な被害を受けるとともに、周辺アジア諸国民にも甚大な被害を与えました。日本国憲法はその反省の上に立ち、「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し」て、第9条で、国際紛争を解決する手段としての戦争を永久に放棄するとともに、戦力の不保持、交戦権の放棄を定めました。
 戦後60年間、私たちはこの平和憲法のもとで生まれ育ち、その恩恵を受けてきました。そして、平和憲法を持っている国に生まれたことにほこりを持ってきました。
ところが、専守防衛のためとして組織された自衛隊は、アメリカ軍への補給を担当するために遠くインド洋に派遣され、イラク戦争においても復興支援という名目でイラクにまで派遣され、まるでアメリカ軍のイラク占領統治の片棒を担いでりるようです。
さらに、昨年11月自民党は、日本国憲法9条を変えて「自衛軍」を創設することを主な内容とする新憲法草案を発表しました。自民党案は、日本を外国で戦闘行為に参加できる国、集団的自衛権を行使できる国(つまりイラク戦争で米英と一緒に戦争に参加できるような国)にしようという内容になっています。また、国会では、憲法改正国民投票法案も提出されようともしています。憲法9条の改正(改悪)が本当に現実のものとなろうとしています。
 私たちは崇高な理念を持つ日本国憲法のもとで生まれ育ったきたわけですが、次世代の子どもたちにもこの憲法9条を引き継ぎたいという願いを持っております。9条の改悪によって本当に被害を被るのは、私たちの子、孫の世代です。私自身、子どもの親になってその思いはますます強くなっています。
 憲法9条を守ろうという運動は、これまでにもいろんな方々が様々な立場で行ってきました。しかし、1つの大きな流れになりきれず、そのことが、憲法9条をなくしたいという勢力のつけいる隙を与えていた面もあると思います。
 憲法9条を変えてしまおうという勢力、流れに対して、今本当に憲法9条が危ない、そういう危機意識を共有している和歌山県内の諸団体、個人がゆるやかにつながる広いネットワークを作りたい。そして、仮に憲法9条を改悪する内容の憲法改正国民投票となった場合にも、過半数の「NO!」を実現する。その思いでいろんな方々と話し合って作ったのが、この「9条ネットわかやま」です。
 繰り返しになりますが、憲法9条に誇りをもって、次世代に伝えていきたいと思っています。それが、日本国憲法の下で生まれ育ってきた世代の責任だと、感じています。
                                      9条ネットわかやま世話人代表
                                                   藤井幹雄





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9条ネットわかやま世話人代表 ご挨拶